インタラクションデザイン

この研究は過去に行われていた研究です。

概要

ユーザビリティやエンタテインメント性を考慮した快適な インタフェースの提案・開発として,次の研究を進めています.
・ 少人数会話の支援を目的として,会話の特徴量をリアルタイムに抽出・可視化し,それを活用したコミュ
ニケーションメカニズム
・ 拡張現実感技術によって,各プレイヤーへの異なる情報を表示する不完全情報ゲーム
・ 文章の論理構造が正しく成立するようにアドバイスをしてくれる作文支援インタフェース
・ デスクトップ環境におけるファイル推薦システム 

研究内容

[1]多人数会話における統計的プロファイルを計測・可視化するためのタブレットシステム
対面での多人数会話においては、人により発話の多寡があり、 発言の頻度が低い人からの情報が提供されないことや、逆に頻繁に発言する人からの 情報だけがもたらされるなど、会話に偏りが発生することが考えられます。このような 場面で、参加者をサポートし会話の活性化につなげるための研究に取り組んでいます。
本研究では、タブレットPCの前面・背面カメラおよびマイクを用い、いつ・どこで・だれが 発話したかという個々人の情報をリアルタイムに計測し、それらを統合することで、いま 誰が誰に話しているか/誰の話をきいているか、およびそのこれまでの履歴といった、 会話全体の統計的な情報を計測・可視化し、フィードバックするシステムを製作しています。 このような情報が可視化されることで、「この人とはあまり話していないから話しかけてみよう」 などといった、ユーザへの働きかけの効果が期待できるのではないかと考えます。 また、単に可視化するだけではなく、ユーザの発話に対する報酬の付与など、会話に ゲーム性を導入することにより、会話の活性化を支援するための仕組みを模索しています。 

[2]ARのユーザ別提示情報調整機能を活かしたカードゲームシステム
現実世界と仮想世界を重畳して表示する技術を拡張現実感(AR)といい, 本研究では,この技術の特性を活かして新しいエンタテインメントシステムを提供します. その特性とは,現実空間の中で複数ユーザに別々の視界を提供でき,コンテクストに応じて 提示する情報の量や質を調整できることです.GUI 型のゲームでもコンテクストに応じて 別々の視界と情報でゲームをすることは可能ですが,AR 技術を用いることで, 現実空間の遊びにその特性を適用でき,GUI 型のゲームとは異なる楽しさをユーザが得られることが期待できます. 本研究では,その一例として,AR 神経衰弱システムを開発しました. これは,トランプゲームの一種である神経衰弱をモデルとし,勝敗の偶然性やゲームバランスを調整するなど, 通常の神経衰弱にはない新しい遊び方を指向するシステムです. 本システムの評価実験によって,エンタテインメントへの有効性が示唆されました.

[3]ICTによる会議のファシリテーション能力開発支援
多人数会話における発言量の多寡や話の脱線などといった問題を解決するために、ファシリテータが導入されることがあります。本研究では、ファシリテータが備えるべき4つのスキルの育成支援をコンピュータによって行うことを目的としており、最終的には1つのシステムで網羅的にファシリテータのスキル育成をカバー出来るようにすることを理想としています。「議論の流れを構造化するスキル」を支援するために、ファシリテータが参加者らの発言をコンピュータ端末上にマッピング出来るブラウザアプリを開発しました。これは一般的な構造化ツールであるホワイトボードなどと比べて発言の編集、訂正などが容易であること、傾向の似た発言のグループ化機能などといったアナログツールにはない利点を活かして構造化の際の手間やストレスを大幅に軽減させることに貢献します。また、ファシリテータの言動を望ましい行動にコントロールする手段として「ミッション型行動提示システム」を開発しました。これはファシリテータの議論における理想的行動をミッションという形でファシリテータに提示することで、エンターテイメント性を担保しつつファシリテーションプロセスを学習させることが出来ます。

メンバー


M2 山腰 悠真 ( yamakoshi [at] i.ci.ritsumei.ac.jp )
M1 松木 尚 ( matsuki [at] i.ci.ritsumei.ac.jp )